福岡高等裁判所宮崎支部 昭和26年(う)130号 判決
併合罪の関係ある事実のうち、第一事実は無罪、第二事実は有罪である場合において、前者について生じた未決勾留日数は後者の本刑に算入することはできないものと解するのが相当である(大審院、大正九年れ第二〇一号、刑録二六輯一九八頁参照)。そこで、今本件についてこれをみれば、被告人慎君瑞、同慎貞根、同西原日晟及び高一天四名に対する各関税法違反被告事件と各外国人登録令違反被告事件とは併合罪の関係にあることが認められ、しかして、訴状記録に徴すれば、前示被告人四名は、所論のとおり、いずれも関税法違反の犯罪事実があるものとして勾留され、外国人登録令違反の犯罪事実については勾留されていないことが明らかである。さすれば、原判決が前示被告人両名に対し、関税法違反罪につき無罪を、外国人登録令違反罪につき有罪を言い渡すにあたつては、前説示するところにより、関税法違反事実につき生じた未決勾留日数は、外国人登録令違反事実の本刑に算入することはできない筋合であるといわなくてはならない。しかるに原判決は、関税法違反事実につき生じた未決勾留日数中六〇日を、外国人登録令違反事実の本刑に算入しているから、右原判決の措置は、結局法律の解釈を誤り、不法に法令を適用した誤があり、その誤は判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、よしんば、答弁書第二点において論ずるとおり、被告人四名とも強制送還される運命にあるとしても、同被告人等に対する原判決は、この点において破棄を免れない。